
パスワードを暗号化する「ハッシュ化」とは?セキュリティの基礎知識
「ハッシュ化」と「暗号化」の違い、説明できますか?Webサービス開発に必須の知識であるハッシュ関数の仕組みと、安全なパスワード管理について解説します。
パスワードがそのまま保存されていたら危険!
あなたがWebサービスに登録したパスワード。もし、データベースにそのまま(平文で)保存されていたらどうなるでしょうか? 万が一、データベースの中身が流出した場合、あなたのパスワードは攻撃者に丸見えになってしまいます。
これを防ぐために使われる技術が「ハッシュ化」です。
「暗号化」と「ハッシュ化」の違い
よく混同されますが、この2つは似て非なるものです。
暗号化(Encryption)
- 特徴: 元に戻せる(復号できる)
- 用途: クレジットカード情報、個人情報、通信内容など
- 鍵: 暗号化と復号に「鍵」が必要
ハッシュ化(Hashing)
- 特徴: 元に戻せない(不可逆)
- 用途: パスワードの保存、ファイルの改ざん検知
- 鍵: 基本的に不要(ソルトなどは使用する)
パスワード管理において重要なのは、「管理者であってもユーザーの元のパスワードを知ることができない」状態にすることです。だから、元に戻せる「暗号化」ではなく、一方通行の「ハッシュ化」を使います。
ハッシュ関数の仕組み
ハッシュ関数は、任意のデータ(入力)を、決まった長さの文字列(ハッシュ値)に変換する計算式のことです。
例(SHA-256の場合):
- 入力:
password - ハッシュ値:
5e884898da28047151d0e56f8dc6292773603d0d6aabbdd62a11ef721d1542d8
入力が1文字でも変わると、出力されるハッシュ値は似ても似つかない全く別の文字列になります。
主要なハッシュアルゴリズム
- MD5: 古い。衝突(同じハッシュ値になること)が見つかっており、現在は非推奨。
- SHA-1: こちらも危殆化(安全でなくなった)しており、非推奨。
- SHA-256: 現在の標準的なアルゴリズムの一つ。Jeneeのツールでも対応しています。
- Bcrypt: パスワード保存に特化した、より強力なアルゴリズム。
ハッシュ生成ツールの活用法
Jeneeのハッシュ生成ツールを使うと、ブラウザ上で簡単にハッシュ値を生成できます。
1. 安全性の確認
自分が使っているパスワードが、どのようなハッシュ値になるか確認できます。
2. ファイルの同一性チェック
ダウンロードしたファイルが壊れていないか、改ざんされていないかを確認するのに使われます(チェックサム)。ファイルの配布元が公開しているハッシュ値と、手元のファイルのハッシュ値を比較し、一致すれば安全です。
3. テストデータの作成
開発中のアプリケーションで、ダミーのハッシュ値が必要な場合に便利です。
よくある質問(FAQ)
Q: ハッシュ化すれば絶対に安全ですか?
A: いいえ、完璧ではありません。「レインボーテーブル」という、よくあるパスワードとハッシュ値の対応表を使った攻撃手法があります。これを防ぐために、「ソルト(Salt)」と呼ばれるランダムな文字列をパスワードに混ぜてからハッシュ化する対策が一般的です。
Q: 忘れたパスワードを「通知」してくれるサイトは安全?
A: もしメールで「あなたのパスワードは〇〇です」と通知が来たら、そのサイトはパスワードをハッシュ化せずに保存している可能性が高いです。セキュリティ的には非常に危険と言えます(ハッシュ化していれば、元のパスワードは分からないはずだからです)。
まとめ
「ハッシュ化」は、現代のWebセキュリティを支える重要な技術です。 開発者でなくても、「パスワードは変換されて保存されているんだな」「元には戻せないんだな」と知っておくだけで、セキュリティ意識は大きく変わります。
ポイント:
- パスワードは「ハッシュ化」して保存するのが鉄則
- ハッシュ化は「一方通行」で元に戻せない
- MD5やSHA-1は使わず、SHA-256以上を使う
ぜひ、ツールを使って実際にハッシュ値を生成し、その不可思議な仕組みを体験してみてください。